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2025.11.19

SNSでの「成分買い」がトレンドの現在、これから日本でもトレンドになる可能性を秘めた美容成分とは 

昨今のトレンドから予測する、これからバズる最新「注目美容成分」5選 

近年インターネットの普及により流行や口コミだけでなく、自身の肌の状態や悩みにそった成分を調べ、商品に何が使われているかを見て自分の求めるものに合ったものを買う、「成分買い」が消費者の中で当たり前になりつつあります。そんな「成分」にこだわる消費者が求めている効能とは何か、そして次に来る「成分」とは何かを『今まで』と『これから』の2つの視点で考察していきます。 

近年トレンドとなった美容成分とその効能 

CICA 

もはや常識となりつつあるCICA成分。CICA成分には様々なものがありますが、主に「ツボクサというセリ科の植物から抽出されたエキス」を指すことが多いです。ツボクサエキスは、古くからヨーロッパやアジアでも傷や火傷の民間治療として用いられてきました。CICA成分には主に肌荒れの鎮静作用、たんぱく質やコラーゲンの生成を促進する再生作用、紫外線などのダメージを受けた肌の修復作用があります。 

アゼライン酸 

アゼライン酸とは、小麦やライ麦などの穀物や酵母などの天然由来のものに含まれる酸(飽和ジカルボン酸)のことであり、海外では昔からニキビの治療薬として使用されており、医師が処方する医薬品としても認可されています。天然由来の成分であるため、肌に優しい成分であることも特徴です。アゼライン酸には主に、角化異常を抑制する作用、抗菌活性作用、皮脂分泌を抑制する作用、抗炎症作用、メラニン産生を抑制する作用などがあります。これらの作用を期待して、現在は、世界各国でニキビ用医薬品として承認されており、30年以上使用されています。 

レチノール 

レチノールはビタミンAの一種で、皮膚や粘膜を健康に保つ、抵抗力を高める、酸化を抑えるといった働きがあります。細胞のターンオーバー(新陳代謝)を促す作用、コラーゲンの元になる線維芽細胞を活性化する作用、皮脂の分泌を抑える作用があります。このようにレチノールは、健やかな肌を作るベースとなる部分に働きかけるため、様々な肌トラブルの改善が期待できます。 

セラミド 

セラミドとは、角層細胞どうしのすき間を満たし、細胞どうしや水分をつなぎとめている肌の必須成分です。セラミドは本来、乾燥やほこりなど肌荒れを引き起こす外部刺激から肌を守るための肌のバリア機能をきちんと働かせるための主軸となっている成分であるため、肌の調子を整える作用や、根本的な肌そのものを荒れにくくする作用があります。 

グルタチオン 

グルタチオンとは、人間の体内にも存在するペプチドのことで、美容や疲労回復目的の点滴などに含まれていることが多い物質です。本来肝臓などで自然に作られる成分ですが、20代をピークに、年齢とともに減少してしまいます。グルタチオンには主に抗酸化作用、シミ予防・改善作用があります。 

過去の事例から見る「バズりやすい成分」の共通点 

どの成分も昔から使われていたり薬用として使われていたりする成分だが、日本で流行するきっかけとなったのは全て韓国コスメである。やはり化粧品大国である韓国での流行りというのは、肌の質が近い国で流行ったものは日本人にもあいやすいという点もあり、より他国での流行よりも強い影響を日本でも持っているのだといえる。つまり、化粧品に関する次に来る最新トレンドを予測するには、韓国の流行をみることが最も効果的である。 

最新注目成分5選と成分配合製品 

PDRN  

次に来る美容成分トレンド1つ目は、韓国発の美容トレンドとして話題となり日本でも注目されるようになったPDRNです。PDRNとは、ポリデオキシヌクレオチドの略称で、一般的にサーモンの精巣から抽出された低分子成分です。人間のDNAに非常に似た構造を持つため、副作用や刺激が比較的少なく敏感肌でも効果的にアプローチできるといわれています。 
もともとは医薬品として使われていましたが、効果の高さから美容医療へと広がり、さらに保湿や肌を整えるケアに役立つ成分として化粧品に活用されるようになりました。最近では、サーモン由来だけでなく植物性由来のPDRNも登場しています。 
PDRNには主に肌細胞の活性化作用、保湿作用、ターンオーバーを促進する作用などがあるため、皺やハリ不足、毛穴などの様々な悩みに効果があります。 

グリシルグリシン 

次に来る美容成分トレンド2つ目は美容クリニックの施術でも用いられる近年注目の毛穴引き締め成分であるグリシルグリシンです。グリシルグリシンとは、アミノ酸のグリシンがふたつ結合したペプチドで、毛穴を引き締める作用や、肌のキメを整える作用があります。このグリシルグリシンは元々、資生堂が発見した成分で、本来人体の角質層中にも微量ながら存在する身近な物質でもあります。 

アズレン 

次に来る美容成分トレンド3つ目はアズレンです。アズレンとは、青色の天然有機化合物で、カモミールやヨモギなどの植物に含まれる成分です。アズレンには、抗酸化作用や肌や粘膜の修復を助ける作用があります。アズレンには強い抗炎症作用があるため、肌や粘膜の炎症を鎮める効果もあります。アズレンは、花粉症やアトピー性皮膚炎などの症状の緩和にも役立つため、アレルギー性皮膚炎やかぶれを防ぐためのスキンケア製品に配合されることが多いです。 

エクトイン 

次に来る美容成分トレンド4つ目はエクトインです。エクトインとは、砂漠やエジプトの塩湖に生息するハロゲン塩類親和性バクテリア(Halomonas elongata)中に多く存在する環状アミノ酸です。エクトインは角層水分量を増加させる作用があるため、長時間保持することで、肌の乾燥や荒れを防ぐ効果があります。また、HSP形成促進作用もあるため、紫外線、熱、物理的、化学的な外部ダメージに対してたんぱく質の安定化や損傷したたんぱく質の代謝促進といった働きを通じて細胞を保護する作用を活性化します。 

パンテノール 

次に来る美容成分トレンド最後はパンテノールです。パンテノールとは、ビタミンB群のパントテン酸(ビタミンB5)に由来する成分です。「プロビタミンB5」とも呼ばれ、体内に取り込まれるとパントテン酸に変わります。パントテン酸はさまざまな食品に含まれる水溶性ビタミンで、皮膚や毛髪を健やかに保つ作用があります。パンテノールのほうがパントテン酸よりも安定性があり、皮膚や毛髪に浸透しやすいことから、スキンケアやヘアケア用品に使用されています。パンテノールには主に、吸湿性により水分蒸散量が低下し皮膚が柔軟になることでもたらされる保湿作用や、皮膚に起きた炎症をやわらげて鎮静化し、かゆみを軽減する抗炎症作用、ターンオーバー促進による皮膚の修復作用があります。 

まとめ 

近年のバズ成分から予測する成分買いトレンドの中で次にバズる美容成分について考察していく中で、消費者が何を求めて成分に視点を置いているのかに注目してみると、以前までのオールインワンで幅広い効能が期待される製品よりも、一つの効果に特化した高濃度配合の製品が好まれています。幅広く万人受けするよりも、自分にはこの成分のこの効果が必要だ、と思わせるような一つを極めたような製品が、「成分買い」をする高感度の消費者には求められています。 

このような製品は特に韓国コスメで最近特に多くなっており、近年バズコスメとしてあげられているスキンケア製品も多くが韓国コスメとなっていることから、SNSを中心に美容インフルエンサーによる韓国コスメ業界のトレンドや最新ニュースなどの発信も多くなっています。そんなSNSでの美容トレンドを追っている高感度な消費者たちの興味が向いている韓国で受けている美容成分をいち早くキャッチすることで日本での流行の予測が立てられます。 

以上の考察を参考に、次にバズる美容成分を先取りしましょう。